【恐怖劇場Mini】

目次

【はじめに】

こちらに掲載しているのはnayaがガラホで打ち込んだオリジナルの
ショートホラー小説集です。
短時間で読めるので、スキマ時間に楽しんでいただけたら嬉しいです。
もし、好評のようでしたら、これからも不定期に話を書いて追加して
いこうと思っています(*´ω`*)
***利用規約***
"恐怖劇場Mini"のページ内にある画像、テキストの著作権は作者
であるnayaにあります。
ページ内の画像、テキストの無断での転載、転用は禁止いたします。
手軽に楽しんでいただけるようにと、コンテンツをそのままページに
掲載しておりますので、ルールを守って、楽しんでいただけたら幸いです。
※物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

【その一『笑顔の少年』】

学生のYは高台に建っている2階建てのアパートに住んでいる。
今日は、友人Mが遊びに来る日だ。
トイレから出ると、ちょうどのタイミングでテーブルの上に置いてあった
スマホが鳴った。
「もしもし?」
「あー。Yか?。今アパートの下まで来てるから。」
「分かった。」
その時、Yは何気なく部屋の窓を見た。
すると、窓の下の方に小さな男の子が顔を覗かせていた。
男の子は満面の笑みを浮かべながらこちらを見ている。
その時、Yは固まって動けなくなった。
なぜなら、このアパートは高台にあり、下の道路から窓まで3メートル
以上の高さがあったからだ…。

【その二『チョキ。チョキ。』】

「落ち着きましたか?」
「はい。先生。」
「それでは、何があったのか聞かせてくれるかい?」
「はい。」
「初めは気のせいだと思ったんです…。」
「ひとりで部屋にいると、どこからか
"チョキ。チョキ。"
とハサミで何かを切る音がしたんです。」
「それが日を追う毎に回数も増えて音もだんだんと大きくなって…。」
「"チョキチョキチョキチョキチョキチョキチョキ"と耳の側で聞こえるように
なってもう気が狂いそうなんです!」
本日、当院に入院する事になったこの患者は、一週間以上、彼と連絡が
取れなくなり、心配した両親によって彼が一人で暮らすマンションにて
発見された。
発見された時、彼は髪も伸び放題で、服もボロボロの変わり果てた姿で
ただひたすら、雑誌やチラシなど自室にあるありとあらゆる紙をハサミで
一心不乱に切り刻んでいたという…。

【その三『幽霊なんていない』】

『この世に幽霊なんて絶対にいないね!』
が口癖の友人の隣には、いつも髪の長い不気味な女が立っている。

【その四『解のない救い』】

歴史上、多くの人々の間で議論されてきた
『幽霊は本当にいるのか?』
という疑問であるが、皆さんはお気づきだろうか?
今を生きる生者である私たちは霊の存在が"曖昧な存在だから"こそ
私たちは気が狂う事なく当たり前に生きていけるのではないだろうか?。
もしも、霊が本当にいるてして、この長い歴史の中で亡くなった幾千万
という人々の霊が、強い怨みを持った怨霊として、そこら中にひしめいて
いると思うと、これ程、恐ろしい事はない…。

【その五『昨日の大雨』】

「オハヨー!。昨日の雨スゴかったね~。」
私は待ち合わせをしていた友人のT美とM香に言った。
すると、T美は戸惑いながら
「アレ?、M香昨日、雨なんて降ったっけ?」
「エ~。降ってないョ~。」
「…。」
なんとなく、よくある話みたいだけど、その時は、なぜか私ひとりだけが
全く別の世界に行っていたような気がして少しだけコワかった…。

【その六『アドラの眼』】

みなさんは"アドラの眼"って、知っていますか?。
"ソレ"は、気がつくとヤバいそうです。
もし、1度でも"ソレ"に気がついてしまうと、それからずっと、いたるところで
大きな大きなひとつの目玉がいろんなトコロから、ずっと、ズッと、こちらを
見つめるようになるそうです。
でも、安心して下さい。
"アドラの眼"は、ただコチラを見つめているだけで、実害はありません。
私はもう慣れました。

【その七『ココロのないカノジョ』】

あのさー。
俺さー、カノジョいるんだけどさー。
あの子、冷たいんだよー。
感情が無い?。っていうか、いつも俺が何を言ってもダンマリなんヨ。
ウンともスンとも言わねーの。
でもさー、やっぱカワイイんだよネー。
大切な、大切なカノジョだからネー。

【その八『地獄変』】

あんたは"八尾垣晋太郎(やおがきしんたろう)"
って人を知っているかね?。
彼は大正時代にいた日本画家で、彼の描いた絵というのが、これまた奇っ怪で
人の死体ばかりをモチーフに描いていたそうな。
それでな、その絵というのが、それは、それは緻密に描かれていたそうで
まるで本当に絵から腐臭が漂って来るような、それは見るもおぞましい
代物だったそうだ。
しかし、その絵は何故か見た人達を引き付ける不思議な魅力があったそうで
かの作品が公開されると、これは新たな大天才が現れたってんで、そちらの
界隈ではたいそう話題になったそうな。
でも、そんな天才先生も何故か、あっという間に姿を消してしまったそうだ。
理由?。
さぁ、分からんねぇ。
そんで、その後すぐに、彼の描いた作品は当時の官憲達に回収された後で
全て燃やされてしまったんだと。
え?、そんな話、一度も聞いた事が無いって?。
まぁ、興味があったら調べれてみれば何か出てくるかもよ。
ほら、今はネットだとか、図書館だとかで、どうにでも調べる事が
出来るんじゃ無いかね?。
うん。

【その九『S市の噂』】

S市では数十年前から両手に2本の長い包丁を持った黒ずくめの
不審者が現れて通行人を襲うという事件が断続的に起こっています。
ですが、その時々で、警察はしっかりと捜査をしているのですが
犯人が逮捕されたという話はただの1度も聞いた事がありません。
そのうち、この不審者は人間ではないのでは?と言う噂が市内で囁か
れる様になりました。

【その十『エドさん』】

私の住む街には"エドさん"というちょっと変わったおじさんがいます。
エドさんは筋肉ムキムキのマッチョで、いつもパツンパツンの
タンクトップを着ていて、なんだかよく分からない薄くて大きな肉
(ビーフジャーキー?)みたいなものを咬みちぎっては
「クチャ、クチャ、クチャ、クチャ」
と大きな音をたてながら、腕をゆっくり大きく動かす独特な歩き方で
そこら辺を練り歩いているのです。
ある時、学校帰りの中学生達が
「おーい!、エド!、オマエいつも何食ってんだよ!」
とからかったら
「ハッ、ハッ、ハッ」
とわざとらしい笑い声みたいな大声を上げながら追いかけてきた
そうで、中学生たちはその一日中、エドさんに追いかけ回された
という話です。
そんなエドさんですが、冬の間はどこにも姿を現さないようです。
さすがに冬は寒いですからね(笑)。

【その十一『歯の抜ける夢』】

「なんか知らんけど、最近、歯が抜ける夢ばかり見るんだよなぁ?。」
と言いながら笑うオジサンには歯が一本しかなかった。

【その十二『Y浜道路OLの霊』】

Y浜道路に深夜、OLの幽霊が出るという噂なんだけど
その幽霊が相当な美人だという話が広まると、男達が深夜のY浜道路
にあふれ返るようになって、それから少ししてOLの霊はまったく
姿を現さなくなったんだって。

【その十三『謎の連続失踪事件』】

とあるマンションで人が次々と失踪するという事件が起こった。
監視カメラの映像を見た関係者が言うにはエレベーターに
ひとりで乗ってきた人がしばらくして突然、爆発して赤い霧に
なって消えていったという…。
ネットでは消えた人達よりもその監視カメラの映像を血眼に
なって探している人間が多数いるそうだ。

【その十四『ツリスレデツレタ』】

一昔前に、某チャンネルにて
「知らないオトコにストーカーされてるんだが」
というスレッドを立てた男性が、その数ヶ月後に掲示板で
「釣りでした!」
と書き込んだ直後に何者かにメッタ刺しにされて亡くなったという。

【その十五『クルウ本』】

日本には昔に出版された、読むと必ず発狂してしまうという禁断の
本があるらしい。
話では、その本はあの有名な「ドグラ・マグラ」ではないそうだ。
あなたもどこかの古本屋で知らない古い本を見つけた時は、安易に
その本を読むのは止めた方がいいだろう…。

【その十六『コーヒーを飲む男』】

T氏は子供の頃によく親に連れられて、家族でとある喫茶店へ
ご飯を食べにいっていた。
その時は必ずといっていいほど、いつも同じ席にサラリーマン風の
中年の男性が座っていて、新聞を片手にコーヒーをすすっていた
という。
不可解なのが50数年後に同じ喫茶店、同じ座席で昔とまったく同じ
容姿のサラリーマンが座ってコーヒーを飲んでいるのを見た事が
あるらしい。

【その十七『80's』】

80年代中頃の短い間、"ウミコ"という、お世辞にも可愛いと
はいえないブキミな顔のアイドルのポスターがあらゆる所で
見られたという話。

【その十八『口がある雲』】

一時期、とある地域の小学生の多くが
「口がある雲が追いかけてくる!」
と言ってひどく怯えていた事があったそうだ。

【その十九『Oトンネルの怪』】

M市、I山のOトンネルでは、トンネルいっぱいの大きさで
鋭いキバだらけのバケモノが口をいっぱいに開けて凄まじい
速さでトンネルを通り抜けていく事があるそうです。
その時にトンネル内を走っていた車は、一体、どうなった
のでしょうか?。

【その二十『サイコキネシス』】

あのさー、お前、超能力って信じるか?
俺はもう信じてないね!
だって、俺がテレビに無かって
「消えろ!消えろ!消えろ!消えろ!」
「消えろ!消えろ!消えろ!消えろ!」
って、何度も、何度も、何度も、何度も、どれだけ
必死に念じてもテレビは普通に付いたままなんだよ。
え?、才能って何だよ!!
オイ、オマエ!、何笑ってんだよ!

【その二十一『ド○カが来る!』】

その昔、とある田舎の村で、ある暑い夏の間に村の子供たちが
「ド○カが来る!、ド○カが来る!」
と言って怯えて、まるで気でも狂ったようになり、騒ぎになった
事がありました。
幸い、夏の終わりと共に騒ぎは収まったそうで、村では、猛暑
の熱にやられた子供たちが、幻覚でもみたのだろうという話に
落ち着いたのですが、結局の所、"ド○カ"が一体、何だったの
かは、今も誰にも分からない謎のままなのだそうです。

【その二十二『首切り塚』】

私が住んでいるM市には"首切り塚"という地元では有名な
心霊スポットがあります。
その"首切り塚"では、塚であるらしい石を触ってしまうと、必ず
呪われるという噂があり、呪われた人達は皆、首に関わる事故
や病気で亡くなっているそうです。
でも、どうしてそこが"首切り塚"と言われているのかは誰も
知りません。
ワタシ、最近、トテモ首が痛いンです。
ダレカタスケテ

【その二十三『ウサギ惨殺事件』】

とある小学校の校内にある飼育小屋で飼育していた7匹の
ウサギがすべて無残に惨殺されていたという事件が起こった。
いつも、どこか挙動不審だった用務員の男性が犯行を
疑われたが、警察の取調べによると、事件当日は
老人ホームに暮らす母を見舞っていたというアリバイがあった。
しかし、その後も周りに犯行が疑われた男性は、ほどなくして
学校の仕事を辞め、どこかに引っ越していったという。
その後、事件の真犯人が学校に通う一人の女子生徒だった事
が判明し、大きな騒ぎになったそうだ。

【その二十四『家の階段』】

自分は二階建ての家に住んでいるのですが、階段を降りる際に
時々、何もない所に足を踏み出して一気に転げ落ちてしまい
そうになります。
その時は必ずと言っていいほど"フワッ"とした奇妙な感覚がして。
長い間、この家で暮らしているけど、どうにも慣れる事が出来ない
でいます。
遅かれ早かれ、いつか必ず落ちてしまうような気がしてとても
怖いです…。

【その二十五『カルト教団の最後』】

1970年代に、北米の中西部に存在したカルト教団
"Hand of Glory Church(栄光の手教会)"
教団は地元住民と度々、トラブルになっていたそうで、児童へ
の虐待も疑われていたらしい。
数年後に教祖が唱えていたという最後の審判の日といわれる日に
教団は信者全員で集団自殺を敢行した。
現場を捜査した捜査機関によると、信者達はなぜか皆、首と右手
が無い状態で発見され、切断された部位は、遂に発見さる事が
なかったという。
現場には教祖と思われる遺体もあったのだが、実は教祖だけが
生き延びていて、その後、別の地域で新たなカルト教団を立ち
上げたというウワサがあるそうだ。
一部で有名な、特別な力があると言われている呪物"栄光の手"
との関連は一切が不明である。

【その二十六『無人島の生存者』】

昔、とある国の「ミハイ号」という遠洋漁船が行方不明になった。
それから数年ほどが経ったある日、外国の調査船によって偶然
小さな無人島で「ミハイ号」の乗組員だったひとりの男性が発見
救出された。
救出時の男性は髭と髪が伸び放題、服はボロボロで、二つの目だけ
がギラギラと不気味に輝いていた異様な姿だったという。
そして、それからまた、時は過ぎ…。
その約数10年後に彼が救出されたという、その無人島で10数体の
人間の骨が発見された。
その時、かの乗組員はすでに老衰で亡くなっていたのだそうだ。
あの島で一体、何があったのか、真相を知る者は、今はもう誰も
いない…。

【その二十七『願いが叶うおまじない』】

願い事を思い浮かべながら
「エスガナダタノ、ノラウミウノカナ」
と10回唱えると、どんな願いも必ず叶うそうだよ。
そんなの信じないって?。
ボクの願いは叶ったけどなぁ。
ボクはこうお願いしたんだ。
「今日、この時間にキミがこの文章を読みますように。」
ってね。

【その二十八『鬼の末裔』】

実は、かつて日本にいたという"鬼"は外国から来た異国人
だったという説があるのをご存知ですか?。
赤ら顔にちじれた髪の毛、そして、大きな体。
当時の日本では馴染みのないボロボロの衣服や武器等…。
船が難破して、日本の沿岸に漂着したバイキングのような
人たちがいたのではないでしょうか。
言葉が通じずにどうしようもなかった彼らは、生きるために
時折、近くの集落を訪れては、食べ物を略奪し、時には
女性をさらっていった事があったのではないでしょうか?。
そして、乱暴された女性が身籠もり、子を生み、育て…。
もしかすると今も日本のどこかで、鬼の血を受け継いでいる
人が生きているのかもしれません…。

【その二十九『一度入ると二度と出てこれないガールズバー』】

みなさんも夜の街で遊ぶ際は、どうぞお気をつけて…。

【その三十『飛び降り自○』】

M市内のマンションで、中年女性が飛び降り自○を図った。
その直後に、真下を歩行していたと思われる通行人が女性の
下敷きとなって死亡した。
飛び降りをした女性の命に別状はない模様…。

【その三十一『心霊ビデオで倒産』】

2004年に、とある映像制作会社で、当時よくあった視聴者
が投稿した心霊映像を収録した一本のビデオが制作された。
しかし、そのビデオがリリースされる直前に
映像制作会社の社長が突如、自殺。
制作スタッフの多くが
事故死。
病死。
行方不明に。
そして、その映像制作会社は倒産した。
どうやら、ビデオに収録されていた映像の中の一つに問題
があったらしい…。
ビデオのタイトルは『ウ○○ナ?呪いの投稿心霊映像?』
というらしく、マニアの間では今も必死に捜索されているが
今の所、そのビデオが発見されたという話は無い。

【その三十二『ある殺人事件の謎』】

日本国内のとある高層マンションのベランダで男性の他殺体
が発見されました。
その遺体には額の中央に銃創があり、男性は即死だった
そうです。
おかしいですよね?。
ここは日本ですよ。
日本国内に本物のライフルを持ったスナイパーなんて本当に
いるのでしょうか?。

【EX1『裏返し』】

どこかのネットで見たのだが、言葉にするだけでそれ
を言った本人が呪われてしまうという強い呪いの言葉
があるそうだ。
それは
「エスガナダタノ、ノラウミウノカナ」
というらしく、これを10回、言ってしまうと自身に
必ず不幸な出来事が起こるらしい…。
「?」

【その三十三『ウツボカズラ』】

―紅い満月の夜。
薄汚れた古い団地のある一室のドアが開く。
「イヤぁ、まいったなぁ、こんな美人のお姉さんから誘って
もらえるなんて嬉しいなぁ。」
「アレ?、なんか薄暗いね、この部屋。」
「それにこの匂いは…。」
「こっちに来て。」
「あ、ハイ、ハ~イ。」
「父さん、ご飯よ。」
「え?」
この街では20年ほど前から男性の失踪が多発しているらしい。

【その三十四『恫喝する映画監督』】

昔、とある演劇系の学校で講師をしていたという知る人ぞ知る
恫喝で有名な映画監督が、複数の俳優志望の女生徒達に相当酷い
ことをしてはそれを映画だと言って撮影していたらしい。
当時は被害者たちも監督が恐ろしくてどうする事も出来なかったという。
ウワサではその学校の倉庫には、今でも当時の映像フィルムが
ひっそりと保管されているのだそうだ。
この映画監督は数年前に癌を患い既に亡くなっている。

【その三十五『姉の奇行』】

ある日の深夜、私は目が覚めて、トイレに行きたくなったので
トイレに向かうと、姉が台所の床に後ろ向きに座り込んで
必死に何かをガツガツと貪るように食べていました。
なぜか、その後ろ姿がとても恐ろしくて、私はそれを見な
かった事にしてすぐに布団にもぐりこんで無理やり寝ました。
次の朝、恐る恐る、姉に夜中の事を聞いてみましたが、姉は
まったく何のことか分からないようでした。
あれは、私が夢でも見ただけなのでしょうか?。
そして、姉は何を食べていたのでしょうか?。
あの時の姉の後ろ姿がどうしても頭から離れません…。

【その三十六『足の裏にクギ!』】

以前、建設系のアルバイトをしていた時、ある現場で廃材の
片付けをしていた時に、トラックの荷台から飛び降りた瞬間
激痛が走りました。
飛び上がるように足を一気に引き上げると、そこにはボロボロ
の木の角材から錆びたクギが顔を出していました。
すぐに座り込んで靴を脱いでみると白い靴下がジワッとどんどん
紅くなっていきました。
人見知りだった自分は、それを周りの人に言うことが出来ずに
靴の間にティッシュを数枚、挟んで痛みを堪えながら作業を
続けました。
それから何年も経ってから、"破傷風"という病気の事を知りました。
あの時は、大事にならなくて本当に良かったです。
※この話は実話です。

【その三十七『Scream!(悲鳴!)』】

ある夜の事、家のリビングで家族みんなでくつろいでいると
「キィャーーーーッ!!」
というスゴイ叫び声が響きました。
一瞬、家族みんなが固まりましたが、あまりにも現実離れした
悲鳴でしたので、近所で誰かが大きな音で映画でも観ているん
じゃないかという話でその時は落ち着きました。
後日、近所のおじさんに聞いたのですが、あの悲鳴は、地域に
ある大学に留学していた白人女性の外国人留学生が変質者に
襲われた正にその瞬間の本物の悲鳴だったのです。

【その三十八『百物語の終わりに…』】

大学生である数人の男女がその中の一人の家に集まり飲み会
を開いた。
そして、怪談を百話、話すと何かが起こると言われている
百物語をしようという事になった。
そして、彼らは交代で怪談を話していき…。
翌朝、途中で眠ってしまった女性が目を覚ますと、自分以外の
メンバーの姿は無く、その後も彼らは行方不明のままだそうだ。
一体、あの夜、あの部屋で何が起こったというのだろうか?。

【その三十九『人喰い蟲』】

昔、ある山のふもとに小さな村があった。
ある時期に大雨でしばらくの間、隣村への唯一の道が増水で
遮断された事があったという。
―それから十日程後の事。
川の水が引き、隣村の者が村を訪れてみると、村人が全員
小さい無数の穴だらけの姿で亡くなっていて、その遺体は
触れるとボロボロと崩れて、塵になっていったそうだ。
そして、発見した村人が帰って来ると、隣村では"人食い蟲"
にやられたと騒ぎになり、直ぐに村に続く道を大きな石や木
で塞いでしまったのだそうだ。
もちろん、蟲にやられたというその村はそのまま廃村となり
消えていったという…。

【その四十『インターネット妄想』】

ある街で、何年も家に引き篭もっていた男性が突然包丁を
手に家を飛び出して、叫びながら、暴れていた所を通報を
受けて駆けつけた警察官に逮捕、連行されていった。
そして、その後すぐにその男性は精神病院に入院したという。
事件当日に彼が何度も、大声で叫んでいたのは
「ネットがオレの事をバカにする!」
という事だが
不思議な事に、彼の親が言うには、事件が起こる何年も
前から家のインターネット回線は、すべて契約を止めており
男性がインターネットを使用することは出来なかったのだそうだ…。

【その四十一『モテモテの友人』】

僕にはT夫という友人がいて、彼は僕と同じで人間の女性には
まったくモテないタイプなのですが、だからこそ彼とは気が合う
という事もあり、いつも一緒に遊んでいます。
実は、そんな彼の周りには、いつも大勢の取り巻きがいます。
そして、彼が移動する度にゾロゾロと付いて回って来るのです。
それで、その取り巻きというのが、生きている人間ではありません。
つまり、幽霊というヤツです。
自分には子供の頃からそれが視える体質のようで、毎日街の
いたる所で、霊の姿を見ています。
でも、自分には霊が視えるだけで、それをどうする事も
できないので、本人にこの事は一度も話をしていません。
特に害は無いと思うのですが、ゾロゾロと霊たちを引き連れている
彼を見ていると、いつも、少し怖いような、可笑しいようなフシギ
な気持ちになるのです。

【その四十二『結界のチカラ』】

日本の首都、東京の周辺には五芒星の形に結界が張られている
という話を聞いた事があります。
でも、本当に結界に守られているとしたら、○○の災害も
○○の事件も○○の件も起こる事は無かったのではないかと
思ってしまいます。
あるいは、結界自体は確かにあるものの、時の流れかもっと
何か別の理由で、その力が著しく、弱くなっているのでは
ないでしょうか?。

【その四十三『海外のお土産』】

海外に旅行にいっていた知り合いに、お土産で小さな木製
の置き物を頂きました。
その直後から、家族が大きなケガをしたり、私自身も突然
顔に大きなでき物ができてしまったりと、色々と不幸な
出来事が続いたのです。
それで、家族みんなで話をして、不幸は、あの置物が家に
来た直後からでしたので
「あの置物は、呪われているんじゃないのか?」
という話になり、みな怖くなったので、すぐに近所の
リサイクルショップに売りに行って処分しました。
それから後は、不幸な事は何も起こらなくなったので今は
皆で安心していますけど…。
呪われた物って、本当にあるのですねぇ。
え?。
そんなもの売るなって?
後に買った人間の事を考えろ?
せっかく頂いたものですし、捨てるのは、何だか気が
引けたので…。
ゴメンなさい。

【その四十四『中学生、エ○本自販機を探して…。』】

これは自分が中学生の頃の話です。
ひとりで学校から帰宅している時、帰り道の農道のただ中に
なんとエ○本の自販機があったのです。
今、冷静に考えてみると、周りが畑ばかりの農道に唐突に
エ○本自販機があるのはどう考えても、おかしな話ですが…。
その時、自分は、一瞬の空白→極度の興奮状態となり
とにかく無言で自転車をフルターボで家まで走らせました。
そして、家に帰宅すると、学校のカバンをベッドに放り出し
虎の子の千円札をポケットに突っ込んで、そのまま一直線に
家を出ようとすると…。
母親「俺ちゃん、お帰り。アレ?、どうしたの?。」
俺「ベッ、別になんでもナイけど!。」
俺「チ、チョット出かけてくる。」
と言い捨てて、母親に勘付かれない様に、ワザと意識して
ゆっくりと外に出ました。
そして、自転車にまたがると、必死になって自転車をこぎ
ウルトラターボで自販機へと向かいました。
それが…。
それがです。
どれだけ探しても、自販機が無いのです。
必死に辺りを探しても、どうしても自販機は見つかりません。
とうとう、汗だくで、ヘトヘトになった自分は、ただただ
歯噛みをしながら、家への帰路につくのでした。
母「お帰り。ん?、どうしたの?。」
俺「べッ。別に何でもナイけど!!。」
―その夜は、どうにも色々とモヤモヤしながら眠れぬ夜を
過ごしたという、中学生時代のある日の出来事です。

【その四十五『ホスト圧殺!?』】

ホストクラブ『N』にいた人気のRっていうホストが、最近、街の
ラブホテルで死んでたみたいでさー、フシギなのがその死因がさー
圧死?、とかいうハナシで、圧死って何だよ!ッて感じだけど
ホントーにベッドの上で、ペチャンコになって死んでたんだってさ。
アイツ、客のオンナの子たちに相当ワルい事をしてたみたいだから
オンナの子たちの生霊に押しつぶされたんでねーの?
ってみんなで言っているんだよ。
ハハハッ。

【その四十六『当たり前の祟り』】

過去には、なんの縁も所縁もない、自分以外の、人間をただただ
憎んでは、強い、強い、恨みを抱いたまま亡くなっていった人たち
が少なからずいるのではないでしょうか?
もしかしたら、自分がまったく知らない内に、ただ生きている
というそれだけで、怨念に祟られてしまっていても不思議な
事ではないのです。
この世には、怨霊の祟りによって、人知れず、不幸な目に
あっている人が、今この瞬間も大勢いるのかもしれません。
そして、その内の何人かは、生きている人間を憎み、強い恨みを
抱きながら、死んでいくのでしょう…。

【その四十七『どうやって飲んだの!?』】

ある時、某病院の救急救命室に中年男性が、緊急搬送されて
きました。
急ぎ、レントゲン撮影を行い、医者がレントゲン写真を見てみると
男性の胃の中には、胃壁を突き破らんばかりの大きさの
アニメキャラクターの美少女フィギュアがどこかが折れるという事もなく
完全な状態で収まっていたのだそうです。
医者は手術以外ではどうする事もできないという事で、すぐに
外科手術で取り出すことになりました。
そして、術後からしばらくが経ち、無事に回復した患者が言うには
あの日は大量のお酒を飲んで、酔っていたので、何も覚えていない
との事です。
それにしても、一体どうやって、あの大きさの物を飲み込んだの
でしょうか?
皆、首を傾げるばかりです…。

【その四十八『地元の廃神社が穴場スポットらしい』】

地元には別の意味で"穴場スポット"と言われている古い廃神社
がある。
そこでは深夜の時間帯に時々、江戸時代っぽい、昔の着物姿の
男女の霊が、その、何というか、"まぐわって"いる姿が見られるという
話だ。
噂では、その神社が、当時からそういう場所だったのではないかと…。
この神社には、今も夜毎に、出歯亀好きな男たちがよく通いに
来ているそうだ…。

【その四十九『20年越しの凶行』】

ある町の商店街で、連続通り魔事件が発生した。
現場にて警察官に取り押さえられ、逮捕された犯人は、その後の
取り調べで、インターネットの掲示板で他のユーザーに煽られて
犯行を実行したと供述したそうだ。
警察が捜査した所、確かにそれと思われる掲示板でのやり取りが
見つかったが、不可解な事にそのやり取りというのが、20年も前
の古いものだったらしい…。
犯人は、他には一切、何も語る事はなかったという。

【その五十『タイムパラドックスの解決法』】

―ある男の手記。
タイムパラドックスを解決する唯一にして単純明快な解決法は
タイムトラベルとパラレルワールドという事象を否定する事です。
これらを否定する事により、時間移動に関する、あらゆる矛盾が
始めから存在しない物となり、全てのパラドックスが矛盾する事
なく消えて解決するのです。
人の選択の数だけ無限に近い数のパラレルワールドが存在している
という考え方がありますが、それは、あくまでも人間主体の思考で
あり、願望という虚構であるに過ぎないのです。
我々、人類は皆、一つの"時間"という名の大きな川の中を未来と
いう下流に向かってうつらうつらと泳いでいっているにすぎません。
中には、この話を聞いて、それでは、未来は一つしか存在せず
未来はすでに確定している物なのか?と疑問を持つ人がいるのかも
しれませんが、それは、あくまでも結果論であって、未来は不確定
なものであり、我々は大きな一つの道を共有してはいるものの
今という時を生きる私たち一人一人の人間の選択によって、自分
自身の未来はどうにでも変化していくという事なのです。

【その五十一『さようなら人類』】

とあるマイナーなネット掲示板で、ある時期に異次元から来た
という"ムムさん"という人物(?)が登場しました。
ムムさんは、物腰の柔かい穏やかな人(?)で、それから
数ヶ月に渡って、質疑応答をメインに、他のユーザー達と
和やかなやり取りが続いたそうです。
そんな、ある日。
「わたしは今日、地球を離れて元の次元に帰る事になりました。」
「みなさん、今まで話を聞いてくれてありがとう。」
「それでは人類のみなさん、さようなら。」
「最後にド○キでお土産を買ってから帰ります。」
それを読んだ多くのユーザーたちが
「やっぱり、ただの地球人やないかい!!。」
とツッコミを入れたという話です(笑)。

【その五十二『地球外生命体が地球にはいないワケ』】

まず、地球の各国政府は、異星人の存在を認める事が絶対
に出来ない理由がある。
それは、異星人が地球外から、この地球へ訪れたという
時点で異星人の科学力が地球より優れているという事と
なり優劣がついた時点で、相手の異星人がどれほど平和的
な種族だったとしても、政治的に対等な交渉は不可能となり
地球側としては、自分たちより文明の優れた存在は絶対に
認める事が出来ないという事実がある。
話では、異星人と思われる、UFOが地球で発見された場合は
各国の政府がUFOは破壊、異星人は暗殺という徹底した対応
を秘密裏に行っているという話だ。
そして、逆に攻撃的な性質の異星人が地球に来ていたとして
地球を征服するだけの能力があるのであれば、現在の様に
天然資源が浪費される前の、もっと昔の段階で軍事的征服
行為が行わていたのではないだろうか?。

【EX2『続・ウツボカズラ』】

俺は朝の通勤時にいつも傘をさしながら、バス停に佇む
美しくも、どこか悲しげな横顔の女性に恋をした。
俺は彼女への純粋な想いを、慣れない手紙にしたためて
ある日の朝に
「あの、突然すいません。」
「良かったら、これを読んで下さい!。」
と言って彼女に手紙を手渡した。
それから、数日後…。
いつものバス停にいた彼女に
「あの、手紙、読んでくれましたか?」
と聞くと
彼女は何とも言えない悲しげな表情で、うつむきながら
小声で
「ゴメンなさい。」
と言った。
そして、虚ろな目で
「お父さんのご飯を作らないと…。」
とだけ呟くと、その場をふらふらと立ち去っていった。
去り際に背を向けた瞬間、彼女の目には確かに涙の粒が
ふり落ちて消えていったのが見えた。
それ以降、あの女性の姿を見かけることは無くなった…。

【EX3『4月∞日』】(NEW!!)

―4月8日。
目が痛い。
頭が痛い。
痛みが酷く耐えられないので薬を買いにドラッグストアへ。
店では店員が俺の顔を見て変な表情をしていた。
帰り道で黒い人がこちらを見ていた。
子供が自分の首を蹴って遊んでいた。
家に帰って薬を飲む。
目から血が涙のようにこぼれ出た。
薬をどれだけ飲んでも痛みが消えない。
視界がだんだん赤く…。
―4月∞日。
目が痛い。
頭が痛い。
痛みが酷く耐えられ…。
―4月∞日。
目が痛い。
頭が痛い…。

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